遺産分割がまとまらない場合の相続登記についてのQ&A
- Q遺産分割がまとまらないのですが、相続登記はできますか?
- Q遺産分割がまとまらずに相続登記ができないのですが、どうすればいいですか?
- Q遺産分割がまとまらずに相続登記ができないのですが、そのままにしておいて問題ありませんか?
Q遺産分割がまとまらないのですが、相続登記はできますか?
A
遺産分割ができなければ、遺産分割の内容にしたがった相続登記ができません。
そのような状態でも、法定相続分に応じた共有の内容で相続登記をすることはできますが、後に遺産分割協議によってそれとは異なる相続の内容になれば、あらためて相続登記をすることになります。
その場合、手続費用が余分にかかってしまいますので、そのような可能性があるのであれば、最終的な遺産分割の内容が決まってから相続登記をする方が手続費用をかけずに済むことになります。
Q遺産分割がまとまらずに相続登記ができないのですが、どうすればいいですか?
A
相続人間での遺産分割協議がまとまらない場合には、法的な手続きをとる必要があります。
まずは、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、裁判所で話合いをすることになります。
その話合いもまとまらない場合には、裁判所が遺産分割内容を決定する審判手続きで遺産分割内容が決められます。
調停または審判が成立した場合には、その書類を利用して相続登記をすることになります。
Q遺産分割がまとまらずに相続登記ができないのですが、そのままにしておいて問題ありませんか?
A
遺産分割がまとまらずに相続登記ができない場合には、不動産の名義は被相続人のままになってしまいます。
令和6年4月1日から、相続登記が義務化されることになり、不動産の相続人は、相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内に相続登記をしなければならなくなりました。
遺産分割がまとまらなくとも、法律上は、その不動産は相続人間での共有になっていますから、相続人にはこの相続登記の義務があります。
上述のような法定相続分での相続登記をすれば、この義務は果たしたことになりますので、遺産分割がまとまった後に、あらためて相続登記をするという方法もあります。
このほかに、自らが相続人であることを申告すれば、上記の義務を果たしたことになるという方法(相続人申告登記制度)もありますので、この利用も検討しましょう。